左下半身(脚・膝・足)に力が入らない、筋力低下、末端冷えに対するオステオパシーの施術例

 

左半身に不調が出やすい、特に下半身、太ももから膝にかけて力が入りにくい、手足が冷えるという70代女性のクライアントの症例です。

以前に頸椎の大手術をした過去もあり、それを機に体調が悪化したことから当院でオステオパシーの定期ケアを受けられています。

今回は梅雨時期の気候変化もあってか、いつもより体調を崩されてしまったようです。

それでは今回の不調の要因とオステオパシーでの施術策について紹介させて頂きます。

 

 

左下半身に力が入らない要因①➯右脳、上部頸椎の圧迫と神経活動の低下

まず立位でクライアントの全体を傾聴しますと、下半身の生命力が薄い、充実感がないのが感じ取れました。

仰向けで全体を傾聴しますと、脳の前頭部から頭頂部の右側の一部に強い圧迫感が感じ取れました。

体全体にとって安全な最適な調整の順序(治療の優先順位)を傾聴すると、まず脳の圧迫を解除するオステオパシー治療が必要と分かりました。

医学的にみると今回負担がかかっている右脳の部位は、左下半身の筋力、とくに立ち姿勢や歩行時に使われる筋肉の活動に関わっていました。

実際のオステオパシー治療としては

  • 前頭部から頭頂部の脳葉、頭蓋硬膜の解放
  • 上部頸椎の歪みと圧迫の解除
  • 上記2点の治療後の神経全体のバランス調整

 

を行いました。すると身体から次の要求が示されます。

 

左下半身に力が入らない、末端が冷える要因⓶➯心臓、呼吸器の制限による体軸の歪み

このクライアントを仰向けで診ると明らかだったのは、心臓の負担が強いということです。

体の中心からみると左寄りに位置する心臓と肺、横隔膜の左側が固着しており、左半身の呼吸が浅くなっています。

先の要因①とこれらの影響が重なることで、体幹に捻じれや傾きが生じます。

すると左下半身への体重負荷も強まり、筋肉は使いにくく、動けば動くほど左半身に歪みや圧迫が強まる傾向となります。

しかも、

このクライアントは医者からスクワットや特定の筋トレを指導されており、この運動により症状が悪化していることも分かりました。

 

また今回の心臓の負担は、左手や左足の指やアーチの骨関節、血管壁の緊張という負の連鎖状態を引き起こしていました。

手や足の関節やそこを通る血管に沿った緊張は、末端の冷えの要因になっていると思われます。

実際の施術としては、下記の3点を合わせて施しました。

 

  • オステオパシー手技療法による心臓と呼吸器の制限の解除
  • オステオパシー手技療法による眉間部(視床下部)の緊張の解除
  • オステオパシー手技療法、波動療法による末梢血管の緊張の解除

 

手や足の指がこわばる、痺れる、浮腫む、冷える、太くなる、曲がるなどの症状は心臓と血管系に負担が生じているケースも少なくありません。

オステオパシー治療の観点からみると、体のどこかの歪みや圧迫が強い時、心臓や呼吸器の負担がある時は運動は避けることを推奨しています。

ある程度自力で治癒回復できる状態になるまで、当院のオステオパシー施術でサポートさせて頂きますので、お困りの方はぜひ一度ご相談下さい。