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最近の症例を紹介しましょう。
5才になっても夜泣きやおねしょが治らないという男児。
母親と一緒に来院されました。

図1:膀胱と周囲の筋膜構造(側方への引っ張りに関わるものを中心に)
小さい子供であっても、イジメや人間関係のトラブルからとてつもないストレスを抱えているかもしれません。
事前のカウンセリングで心理的なお悩みがあるのかを母親とじっくり話しました。
しかし、彼には当てはまらないようでした。
下肢と内臓を中心に、オステオパシーのメカニカルリンクの検査手順を行った結果、
・右の大腰筋とその筋膜の緊張
・右肋骨11,12番の変位と固着
・右の足首の緊張
が特に重要な病変として見つかりました。
これらに抑制バランス検査を行うと、右肋骨11,12番の制限が主用病変であることが分かりました。
この部位の緊張を抜くと、右上に引っ張られ窮屈になっていた膀胱周囲の組織と上部の腹筋層が弛緩してくるのが分かります。
この筋膜緊張が腰椎部に少し側湾も作り出していました。

話を聞きながら施術を進めていくうちに重用な事実が分かりました。
なんと母親は彼が1歳半の時、抱き抱えている途中、路上のコンクリートに落としてしまったというのです。その時、彼は脇腹を強打したのに泣くこともなかったので、母親は気にしなかったそうなのです。
ここで私は、脇腹を打った際に右肋骨を強打した影響が、深部の緊張となって長年残ってしまったのではないかと伝えました。
骨盤の内圧を利用したオステオパシーの調整法により、肋骨の変位は1回でだいぶ解消しました。2回目の施術後には、膀胱周囲の筋膜の固着がほぼ改善して、自由に動くようになっていました。
膀胱は尿を溜めておく容器です。
周囲の緊張が膀胱への圧力となれば、尿を溜めておく機能は当然低下します。
神経学的には交感神経が適切に働くことで、膀胱壁が弛緩し尿を溜めておくことができます。逆に排尿は副交感神経優位になった時の反応です。
西洋医学の診断の落とし穴は、こうした神経学的な知識に注目しすぎて、
「あー、自律神経失調症ですね。最近子供にも増えているんですよ。」
などと曖昧な診断をして、変化した組織の緊張に気がつけないことです。
3回の施術で、オネショが無くなったと母親から喜びのメールを頂きました。
夜泣きの方も自然となくなったそうです。
外傷、強打の影響はこの様に何年も経って、症状を出すことがあります。
それは体表の傷が完治しても、内部の筋膜の緊張やアンバランスが残ってしまうという事実を意味しています。
それが血流や神経の流れを長期的に変えた結果、症状が出てくるのです。
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