Osteopathic Approach and Clinical Reports of  OMT 

オステオパシーの臨床症例とそのアプローチ

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臨床報告とアプローチ

 

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顎の痛み、顎が開かない

 

 

 

顎の痛みは全身性の影響を受ける複雑な力学的問題です。

人体は骨や筋膜、靭帯などの強度のある結合組織が、重力や外力に対して最適なバランスを保ちながら身体の均衡を保ちます。

簡単に言うと腰の真ん中あたりで下肢を、肩甲骨の高さで上肢と首の重さがバランスされます。

内臓は間膜や靭帯の連結、体腔圧のバランスで最適な位置におさまります。

もちろん、これらのバランスは"やじろべ〜"の様に単純ではありません。

 

中でも一番上にある頭の位置は重要です。

ボーリングの球ほどある頭(頭蓋骨)を支えているのは首の骨(頚椎)です。

意外なことですが、首の骨(頭)のバランスを取っているのは、頚椎の他に下顎骨が重用なのです。

下顎骨は頭部の唯一の滑膜関節で、体の中で唯一ぶら下がっている骨です。

顎関節の運動性と柔軟性を見れば、全身の力学的な緊張への適応力が分かります。つまり、本来大きな動きのある関節なので、そこに緊張があり痛みが出ることは深刻なサインなわけです。

 

全身検査の結果、下顎部に主要病変があると診断された場合は、この周辺部位を更に詳細に検査していきます。これらのうち

 

咀嚼筋群(噛む筋肉、食いしばる筋肉)

頚部の問題(頸椎の関節、頸部の筋群)

●頭蓋骨の病変

 

は特に重用です。

頭を支える僧帽筋や肩甲下筋、後頭下筋など首の後面の筋ばかりが注目されますが、前面や側面のリンパ節や血管ルートの緊張に注目することも大切です。

頚部の血流やリンパの循環が悪くなり、老廃物が停滞し痛みを引き起こしやすい土台ができれば、ここから供給を受ける顎関節の状態はさらに悪化してしまいます。

 

また、下顎部はその人のストレス適応レベルを大まかに表しています。

頭部表面を覆う側頭筋の緊張は過労や不眠、イライラ感の度合いに比例して高まります。ひどい場合、短時間ではほとんど緩みませんので、数回の治療を通して体が自然に受け入れてくれるアプローチを見つけます。

頭蓋システムに働きかけ、神経系に深いリラックスを与えるのも良い方法でしょう。

 

 

最近は歯の噛み合わせのバランス(削った、抜いた、埋めた等)や虫歯等の問題も含めてアプローチしています。

骨盤や脊柱、下肢等から来る緊張を治療しても一向に顎の症状が改善されない場合は、噛み合わせも調べてみましょう。現在、研究熱心な歯科との連携を計画中です。

 

最初に、顎関節は全身のバランスを取る部位だと言いました。

ですから骨盤や下肢など顎から離れた部位のアンバランスがあれば、そちらをまず調整することになるでしょう。内臓の緊張や下垂、局所の血流うっ滞なども、力学的に体のバランスを崩す結果になるので、オステオパシーではこれらの状態も考慮します。

 

顎そのものではなくこうした全身性の力学的、精神的ストレス状態を正しく評価することでより効果的な顎の治療になると信じています。

 

臨床報告とアプローチ

 

2005/10/15

K.Shirasawa

 

 

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