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サンフランシスコ海外研修に行った際、とても興味深い経験をした。
一緒に旅行をしていた友人が研修中に突如、頭頂部の皮膚一点を押さえて痛みを
訴えたのだ。

図1;頭部の断面図(冠状面)
図2;頭蓋の縫合(縦の縫合が矢状縫合)
黄色の層が骨。一番上が皮膚。 縫合のズレや緊張は押されると痛い!
何層もの筋膜層に血管が豊富に走る。
急性の症状なので、頭部、頚部を中心に検査を行う。
幾つかの機能ユニットにオステオパシー病変が見つかった。
脊柱軸・・・C1-3, C7-T1
胸郭前面・・・肋骨2番(右)
頭蓋・・・矢状縫合(*図2参照)、頭頂骨(右)、後頭乳突縫合
皮膚・・・右頭頂部に指腹大の収縮部、皮下の浮腫
皮膚の浮腫は少し熱を放散していて、押すと激痛を訴える。
頭蓋の動きとリズムを触診すると、右頭頂骨が完全にロック状態。
後頭骨も不自然な動きをしている。
矢状縫合を一時的に緩めると、頭蓋全体の動きが自然に近くなるものの浮腫は改善してこない。つまり筋膜層の血液循環を回復させるにはもっと積極的なアプローチが必要ということになる。
図1を見てください。頭部には何層もの筋膜層がありますね。
この間には血管が豊富に通りますが、縫合のズレや頭蓋骨の歪みによって圧迫されることがあるのです。その結果として頭部に浮腫や圧痛が生じます。
彼の場合は浮腫が起きている皮膚を整える必要があったのです。
髪の毛と皮膚間のリリースを行うと、皮下組織との間にスペースができ5分ほどで浮腫が7割近く減りました。
本人曰く、直後には少し痛みが引いた程度。
筋膜層の血液循環のうっ滞は瞬時では回復しにくいものです。
2日後にようやく痛みが消失し、浮腫もなくなったことを確認。
再発を防ぐためには、局所の血流制限まで改善する必要があります。
これがオステオパシーの治療の醍醐味でしょう。

図3;頭部の知覚神経
頭部の痛みは、図3の様な知覚神経との対応を見ればどこ由来であるかが分かる。彼のケースは三叉神経痛(脳神経5番)、もしくは後頭神経痛(C3)。
だが、これは医学的な名前であり、オステオパシー的には矢状縫合のズレとそれによる頭頂部皮下での血液循環のうっ滞が痛覚を刺激したと説明できるでしょう。
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